インフルエンザワクチン H29 追加

インフルエンザ予防接種の時期 2017-2018は?

今年2017-2018シーズンは、早くも9月の段階でインフルェンザウイルスヘの感染者が確認されており、昨年と問じ時期に比べ5.7倍多かったとされています。

 

例年なら、インフルエンザウイルスが最も猛威を振るうのは、12~1月の寒さが廠しい時期に流行のピークを迎えます。 

今シーズンは、インフルの流行が例年より早く始まりそうなので、早めの予防・対策が大切になります。

何より、インフルエンザワクチンの供給が不安定なため、確実な接種特に2回接種が必要な13歳未満の対象者は早めの接種をお勧めします。

 

予防接種を受けたからといって、「絶対にインフルエンザに罹(かか)らない!」というわけではありません。

しかし、罹りにくくなったり、重症化せずに比較的軽い症状で済む可能性があります。

ただし、副作用もあります。

今までにワクチンを接種して副作用が出た経験のある方にはあまり積極的にはお勧めできません。

 

インフルエンザは予防接種を受けることで「かかりにくくなる」こと「かかっても軽くすむ」 というメリットが考えられます。

 

特に抵抗力の低いお子さんや高齢者の方などは、予防接種をしっかり受けて備えておいたほうが安心です。

 

 

2017/2018冬シーズンのインフルエンザワクチン株は

2014年までは3価(A型2株+B型1株)であったワクチンが、4価(A型2株+B型2株)になり、予防できるウイルスの数が多くなりました。

 

インフルエンザワクチンは、毎年つくり変えられており、例年、世界の国々で流行したウイルスの株からその後の日本での流行を予測して製造されます。

 

A型・B型どちらかのインフルエンザが流行した場合も、または両方が流行したとしても、インフルエンザワクチンの接種によって予防効果を発揮することができるのです。

 

2017/2018冬シーズンのインフルエンザワクチン株は

 A型株

  A/シンガポール/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09

  A/香港/4801/2014(X-263)(H3N2)

 B型株

  B/プーケット/3073/2013(山形系統)

  B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)

 

 

参考

 

平成29年度(2017/18シーズン)インフルエンザワクチン株の選定経緯

https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2413-related-articles/related-articles-453/7671-453r05.html

 

このように、A(HINI)亜型(平成21年に流行した新型インフルエンザと同じ亜型)、A(H3N2)亜型(いわゆる香港型と同じ亜型)、2系統のB型の4つの種類があり、いずれも流行の可能性があります。

なお、流行しやすい年齢層はウイルスの型によって多少異なります。

 

予防接種の時期2017/2018シーズンはいつがおすすめ?

インフルエンザウイルスは、「低温乾燥Jを好み、真冬などの寒い時期はウイルスが増殖する条件が揃うため流行もピークを迎えます。

 

しかし、数年前の「新型インフルエンザ」の流行以降は、10月、11月に流行期を迎えることも珍しくなくなってきました。

 

今年も9月の段階で、インフルエンザウイルスの感染者が確認されていることから早期の予防が大切かも知れません。

 

なお、今年は、インフルエンザが例年よりも早く流行する兆しがあるなか、一部の地域でワクチン接種の予約ができない事態も起きています。

ご多分に漏れず当地域も同様です。

 

厚生労働省が今年度のワクチン製造量について、昨年度の使用量を下回ることを公表後、医療機関から卸売販売業への発注が急増したとみられ、入手できなかったり、例年並みの数量を確保できなかったりする医療機関が相次いでいます。

 

厚生労働省が発表している今シーズンのワクチン・治療薬等の確保の状況

今シーズンの供給予定量は、昨年度と比較して約10%減となります。

実はワクチンだけでなく抗インフルエンザウイルス薬もインフルエンザ抗原検出キットの供給量も減る予定です。

 

インフルエンザワクチンの効果

インフルエンザワクチンの接種で、インフルエンザウイルスヘの抗体ができ、発症(症状発現)を約50 ~ 60%減少させます。

成人の場合には、感染したとしても入院などの重症化を約70%減少させることがわかっています。

 

尚、インフルエンザワクチンは、接種してすぐに効果が期待できるものではなく、通常は流行する1 ~ 2ケ月前に接種するのが理想的とされています。

 

そのため、例年流行する時期の1~2月にしっかりと抗体ができるように、その1~2ケ月前の11 ~ 12月の時期に接種をします。

(当院では例年10月中旬から年内に接種期間を設けています。年明けには行っていません)

 

尚、生後6ケ月~12歳までの年齢のお子さんの場合には、インフルエンザワクチンの接種が2回必要なことも考慮して、ワクチンの接種時期を決めてください。

そのため、小学生以下のお子さんなどは、10月下旬か遅くとも11月初旬までには1回目を済ませておくようにしましょう。

 

また、予防接種を受けてからすぐに予防効果が出始めるわけでなく、インフルエンザウイルスの抗体が出来るまでに1 ~ 3週程度の時期を要します。

 

したがって、流行前までに免疫を作りたいなら10月中 ~ 下旬に接種を、ピークに合わせるなら11

月上旬 ~ 遅くとも12月前までに接種を終えましょう。

 

インフルエンザ予防接種の効果期間は?

「早めに受けすぎると効き目が弱まってしまうんじゃないか」と考える方もみえます。

 

通常、インフルエンザの予防接種の効果は、最大で約半年持続するとされています。

 

インフルエンザウイルスの抗体ができるまでに1~ 3週間の時間を要し、その後抗体は徐々に減っていきながら、約半年間持続します。

 

早ければ予防対策としては有効ですが、後半の抗体が減って来た時に心配が残ります。

 

受験生など受験の時期に一番の効果を期待したいのであれば、受験日などを伝え、主治医の先生と相談して逆算して受けることをおすすめします。

 

無症候性感染の拡大

近年のインフルエンザの研究によって、上気道症状はもちろんのこと発熱や筋肉痛などの全身症状のない「無症候性感染」の拡大が確認されています。

これは、インフルエンザに感染しているにもかかわらず、自分も周囲も気付かずにインフルエンザウイルスを拡大させてしまっていたりすることもあることから、ウイルスの拡大に多大な影響を及ぼしていることがわかってきています。

 

 

追加;

インフルエンザウイルスの変わる(変異)速度は非常に早く、新たな異なるウイルスが出てくるのが特徴的です。

これにより、例年通,りと思って対策を講じていても、流行の型が違ったり、新型のウイルスが突然猛威を奮ったりします。

これがインフルエンザウイルスの怖さでもあります。 

前にも書いた通り、最近のインフルエンザウイルスワクチンはB型に対する対策として3価から4価に増えました。

しかし、個人的な意見としてはB型は流行が少なく症状や病状も軽いため、(欲張らずに)A型のみの4価にしてはどうかと思います。

シーズン終了後に、実際にはどのウイルス株が流行したのか、また予想株が適中したのか気になります。

ところが、こう言った誰もが知りたい情報がなかなか手に入らないのが現状です。

是非とも国民に分かりやすく公開して欲しいものです。

 

 

インフルエンザウイルスは、アルコール殺菌で死滅するため、インフルエンザ時期には手洗いやうがい、マスクはもちろんのことアルコールを用意して流行拡大の対策を講じましょう。