便潜血反応

便潜血検査の陽性反応のまとめ

http://www.kensa-book.com/expression/ob.html

便潜血反応検査が行われる最大の目的は大腸がんの早期発見です。

検査をして便潜血反応が陽性の場合は、まず大腸がんの可能性を疑い大腸カメラ(大腸内視鏡検査)などの更に詳細な検査を実施します。

便潜血2日法による大腸がんの発見確率

   進行がんであれば約9割程度

   早期がんであれば約5割程度

検診の前日と検診当日の2日間の便を採取するのが最適ですが、検診当日から長くても4日前程度までであれば保管状態が整っている場合は利用することが可能です。

 

但し、便の鮮度が低下するほど便潜血検査の精度も低下し偽陽性を示す可能性も高くなりま

す。


便潜血反応

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02940_05

①免疫学的便潜血反応

免疫学的便潜血反応では,採便方法により偽陽性,偽陰性となることがあります。

まず,便の採取は,血液が糞便中に均等に混じっているわけではないので,数か所の内部から採取します。

この際には,過不足ない量とします。

少ないと偽陰性,多すぎると偽陽性となります。

そして,採取した便は直ちに冷暗所に保管します。

これは腸内細菌によりヘモグロビンが分解されるためで,室温で保存すると1日放置しただけでも偽陰性となることも少なくありません。

また,水洗トイレでの"たまり"から採取すると便器洗浄液が混入して偽陰性となることもあります。

なお,必ずしも連続的に出血しているとは限らないので,連続して2日間,あるいは3日間検査すると検出率が向上します。

 

②免疫学的便潜血反応と大腸癌

早期発見には便潜血反応と大腸内視鏡検査が有用です。

集団検診の報告では,免疫学的方法での陽性率は5%前後で,陽性患者の2-3%が大腸内視鏡検査により大腸癌と診断されます。

したがって,集団検診による大腸癌の発見率は0.1%程度です。(1000人に1人)

また,毎年便潜血反応検査を受けると大腸癌死亡リスクは60-70%減少すると推定されています。

 

なお,免疫学的潜血反応による大腸癌検出率は,進行癌で60-75%,早期癌で30-40%であり,2日間連続検査法を行うことで10-15%程度検出率が改善するとされています。


「便潜血検査」で早期発見

大腸がんが増えている。

2014年まで長らく、日本人に一番多いがんは胃がんだった。

しかし、冷蔵庫の普及などでピロリ菌の感染率が低下した結果、胃がんは減

少に転じた。

15年以降は、大腸がんが最も多くなった。

 

大腸がんは運動不足や肥満、肉の食べ過ぎなどで増える「欧米型」のがんの代表だ。

しかし、米国では大腸がんの罹患率も死亡率も下がり続けており、高齢化などの影響を除いた年齢調整死亡率はピーク時の半分程度だ。

 

米国における17年の大腸がんによる死亡数(予測値)は5万260人だ。一方、我が国の16年の予測値は5万I600人で、人口が米国の4割以下のわが国の方が大腸がんによる死亡数が多いという信じられない事態だ。

大腸がんは子宮頸がんと並んで検診による早期発見が最も有効なタイプで、早期のうちに手術すれば100%近く治る。

最近では内祝鏡による切除も可能となり、入院期間も数日ですむ。

 

大腸がん検診は、便の中に含まれる微量の血液を調べる「便潜血検査」という簡単なものだ。

費用もほとんどかからない。

専用の器具で便の表面をこすって採取し、冷蔵庫に保管する。

温度が高いと、便に含まれる細菌が血液を分解してしまうからだ。

冷蔵庫に入れるのは抵抗がある方は、冷やした保冷剤と一緒に保管しよう。

 

早期発見には毎年検査を受けることが重要だ。

検査では通常、2日にわたって便を取る。

がんがあっても、1回の採便で見つかる確率は45%程度と高くないのは

が、2回調べれば70%が見つかる。

大腸がんは進行が遅く、3年くらいは無症状だ。

2年検査を受ければ91%、3年受ければ97%のがんを見つけることができる。

 

実際には、その後の精密検査(内祝鏡検査)での見落としもるので、これほど高い率にはならないが、毎年検査を受けていれば、大腸がんの8割を早期に発見できるとされている。

 

しかし、残念ながら、白本人の便潜血検査の受診率は米国の半分程度にとどまっている。

これが日米の「大腸がん格差」の主因といえる。

 

参考・引用

 

日経新聞・夕刊  H292.16


正しい採便方法


便潜血陽性と言われたら

http://www.mtopia.jp/endoscope/bensenketsu.html

・大腸がんの発見には便潜血検査と大腸内視鏡検査が有用です。

精度の高い検査は当然大腸内視鏡検査となりますが、大腸がん検診でよく用いられるのは便潜血検査になります。

理由は体に負担がかからない楽な検査であることと、検査の費用が安価なため検査を行いやすいからです。

便潜血の時期は、40歳以上の男女で毎年受けていくことが推奨されています。

 

・便潜血陽性になる方は1000人いたら50人ほどになります。

さらにそのうちの2~3%である1~2人が大腸がんと診断されます。

なお,便潜血反応による大腸癌検出率は、進行癌で60~75%、早期癌で30~40%であり、2日間連続検査法を行うことで10~15%程度検出率が改善するとされています。

 

・便潜血検査が陽性となるには出血している病変があることが要因となりますが、ポリープやがんの場合はある程度大きくならないと出血することが少ないために便潜血検査では陽性になりにくいことがあります。

そのため、ポリープや早期の大腸がんでは便潜血の検査が陰性となることがあるので、注意が必要です。

つまり「便潜血検査が陰性だからと大腸がんがないとはいい切れないのです。

そのため初期の段階で確実に見つけるのには、大腸内視鏡検査による精密検査を行う必要があります。

そのほか炎症性の腸疾患や痔核や裂肛などの肛門の病気でも陽性となります。

 

・陽性の場合には大腸に何らかの病気がある可能性がありますので、すみやかに精密検査を受けてください。

もう一度便潜血検査を行うのは意味がありません。

 

 

大腸がん検査を便潜血検査だけで済ませていませんか?

https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/knowledge/scatoscopy/

 

 

臨床的意義

・ヒトヘモグロビンに対して特異的性・検出感度ともが高く、下部消化管由来の出血を効率よく拾い上げることが知られていますが、腸内細菌による分解によって偽陰性化する場合があります。

・主に大腸がんのスクリーニングに用いられます。

・上部消化管(口腔、食道、胃など)出血では胃液や十二 指腸液によってヘモグロビンが壊される為検出率が低く,下部消化管疾患(主に大腸癌)の 検出に用いられます。

 

常値を示す主な疾患・状態

 

大腸癌、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、Crohn 病、大腸潰瘍、急性大腸炎、腸閉塞、寄生虫感染、細菌性大腸炎、原虫感染など



大腸がん検診

http://www.tokyo-cdc.jp/kenshin/caution/daichougan.html

(動画で採便法を知ることができます)

 

『2回分の便とるの、むつかしくない?』

https://www.kyotoyobouigaku.or.jp/wp-content/uploads/2015/04/8f97e1baa93636900979176a26f80901.pdf


[PDF] 検便における便の採り方

https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kenko/kenko/kensashitsu/documents/torikata.pdf

 

(イラスト入りで、採便法をわかりやすく説明しています)