デング熱

デング熱 一蚊の予防対策をしっかりと一   

 

デング熱の症状

デング熱は、感染すると3~7日ほどで突然の高熱、発疹や関節痛、筋肉痛があらわれますが、ほとんどは1週間くらいで回復します。

まれに重症になることがあり、腹痛、繰り返しの嘔吐、目や鼻など粘膜からの出血がおこったり、朦朧(もうろう)とするなど意識変化があらわれることもあります。

海外旅行や国内でデング熱が流行した時にこのような症状がみられたら、かかりつけの医師に相談しましょう。

 

なお、症状には個人差があり、感染しても発症しない人もいます。

 

ヒトからヒトヘ直接の感染はしない

デング熱は、特定の蚊がウイルスに感染したヒトの血を吸い、蚊の体内でウイルスが増えて、その蚊が別のヒトの血を吸うことで感染が広がります。

ヒトからヒトヘ直接感染する病気ではありません。

 

主に熱帯地域で流行しているため、多くは海外旅行で感染します。

ただし、国内で生息している蚊にもウイルスを増殖させる能力があり、感染の可能性が全くないとは言い切れません。

 

自分を守り、社会を守る

デング熱にはワクチンがなく、最大の予防は蚊に剌されないことです。

蚊が多い季節に屋外で長時間過ごすときや熱帯地域への海外旅行では、蚊取り線香の持参や肌の露出部分には虫よけスプレーを使用するなど、対策を忘れないようにしましょう。

 

日頃から生活環境で蚊の発生しそうな場所(庭の鉢植えの皿、花瓶、水たまり、古タイヤや空き缶など)の掃除も大切です。

 

もし、感染した場合、あなたが感染源となる可能性があります。

蚊に剌されないように注意することが、周囲の人や社会を守るために重要であることも、覚えておいてください。

 

(長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学分野 森田公一教授)

 

出典

日医ニュース 平成27年6月20日