胃カメラの所見について

胃悪性リンパ腫

全悪性リンパ腫の8%程度が胃にできると報告されている。

形態学的(内視鏡での見た目)な分類としては大きく分けて

「表層型」

「隆起型」

「潰瘍型」

「決壊型」

「巨大皺壁型」

の5つに分類される。

 

胃悪性リンパ腫の90%程度にピロリ菌感染が認められると言われており、その発生にピロリ菌が大きく関与していると考えられている。

発見された悪性リンパ腫が、進行速度の比較的遅い低悪性度のものであり、胃以外の臓器に転移をしていない初期段階であれば、ピロリ菌の除菌療法が治療の第1選択となる。

ピロリ菌の除菌治療が奏効した場合は90%以上の長期生存率と言われており、再発率も3%程度とピロリ菌の除菌治療が大変有効と報告されている。

 

 

萎縮性胃炎(ピロリ菌感染あり)

萎縮とは粘膜が薄くなる状態で、そのため、下の血管が透けて見える。

粘膜には光沢がなく、パサパサしてざらついた印象で、ヒダも消失している。

 

 

食道カンジダ

 

 

正常胃(ピロリ菌感染なし)

ピロリ菌がいない胃粘膜は、みずみずしく、光沢があり、血管もさほど透けて見えない。

ほぼ均一な太さのヒダがたくさんある。

 

 

腸上皮化生

 

 

鳥肌胃炎

ピロリ菌初感染に対するリンパ系の免疫反応を反映しているとされている。

ピロリ菌を除菌すると、治る。

この胃炎は若い女性に多く、悪性度の高い未分化型の胃ガン(スキルス胃癌など)を合併することが知られている。

 

 

ピロリ菌感染胃

http://naisikyou.com/gastriris.html

ピロリ未感染

・粘膜に赤い点々がある

・小さなポリープが多発(絶対、癌化しない)

・粘膜の襞は細くまっすぐ

 

ピロリ感染(慢性胃炎)

・霜降りの牛肉のように斑状に赤い部分と白い部分がある

・赤い大きいポリープが単発(稀に癌化する)

・粘膜の襞は太く蛇行している

 

胃ポリープ

http://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/stomach/stomach_02.html

過形成性ポリープ

過形成性ポリープの発生は30歳以上で年代と共に増加する傾向にあり、腸上皮化生 (胃がんと非常に関連のある組織)との関連はあまりなく、がん化することはまれです。

高さが高くなり、大きさが増したりして進行していきます。普通、直径2~3センチどまりです。非常に赤く、表面にイチゴのような顆粒状の凹凸があります。出血やびらんも多くみうけられます。

小さなものは放置可能で年1回の経過観察をし、2センチ以上の大きいものは内視鏡的治療により切除します(ポリペクトミー)。

 

胃底腺ポリープ

胃底腺ポリープは、胃底腺の粘膜に発生し、数個以上発生します。女性に多く、胃底腺の粘膜は萎縮せず、状態が良好なことが特徴です。

粘膜の変化は、胃の大彎曲(だいわんきょく)を中心とした胃壁に多く見られます。数ミリ程度の半球状のポリープで、表面は滑らかで、特に色の変化はなく、多発します。

一般的に放置して心配ないといわれています。


腺腫

腺腫は、高齢者で腸上皮化生をもつ、かなり萎縮 した粘膜にみられます。男性に多く男女比は4:1です。

高齢者の萎縮性粘膜にみられ、形はドーム型、平たいもの、花壇状など様々です。灰白色で整った凹凸があります。

小さなものは、半年~1年に1回の検査で経過観察します。大きなもの(2センチ以上)や、がんとの識別がはっきりしないものは、内視鏡的治療により、粘膜の切除をします。

 

 

胃ポリープ - 胃にできる良性腫瘍で特別な治療は必要なし

http://www.pirorikin.com/cat1/post_6.html

・胃ポリープは以前はがん化が起こりやすい病気であり、がんになる確率は約20%と定義されいましたが、現在ではがん化することはまれであるとされています。

また、定期的に消化管X腺検査や内視鏡検査で経過を観察していれば、特別な治療は必要ありません。

 

・ピロリ菌の感染が原因で胃ポリープになるとの報告はありませんが、過形成ポリープはピロリ菌を除菌することによって、過形成ポリープが消失してしまうことがあるため、いずれにしてもピロリ菌の除菌は推奨されます。

 

 

・健康でピロリ菌が感染していない胃粘膜にできる胃底腺ポリープもあります。これは30~50代の女性が発症しやすいポリープです。