非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/43138443.html

NAFLD/NASH 診療ガイドライン2014 公開日:2014年4月21日

https://www.jsge.or.jp/guideline/guideline/pdf/NAFLD_NASHGL2_re.pdf

 


NAFLD/NASHガイドQ&A

https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/nafld.html

(日本消化器学会のガイドライン。Q&A形式で図入りで判りやすく説明されています)

肝臓に脂肪が多くたまった状態が脂肪肝だ。

脂肪肝には、お酒を飲み過ぎた人がなるアルコール性の脂肪肝と、お酒をあまり飲んでいないのに肝臓に脂肪がたまってしまう非アルコール性の脂肪肝がある。

お酒の飲み過ぎは脂肪肝にとどまらず、肝炎や肝硬変になることがよく知られているが、お酒をあまり飲んでいない非アルコール性の脂肪肝の人でも同じように肝臓の病気が進行してしまうことがある。

 

このように非アルコール性の脂肪肝から脂肪肝炎や肝硬変に進行した状態までを含む一連の肝臓病のことを「非アルコール性脂肪性肝疾患」(英語表記nonalcoholic fatty liver diseaseから「NAFLD(ナッフルディー)」)という。

 

NAFLDの有病率は、日本では9~30%と報告されており、患者さんは全国で1,000万人以上いると考えられている。

肥満の人やメタボリックシンドロームの患者さんの増加に伴って患者数は増えており、とくに肥満男性の増加が社会問題となるなかでNAFLDの男性も増えていることが懸念されている。

また、日本におけるNAFLDの年齢分布は、男性は中年層、女性は高齢層に多い傾向であることが報告されている。

 

NASHの有病率は3~5%と推定されている。

全国の肝硬変患者さん約33,000人の原因を調査した報告では、約3/4はウイルス性肝炎が原因で、NASHは2.1%だった。

NASHの年齢分布については明確なデータはない。

小児のNAFLDの有病率は少なくとも3%と報告されているが、年齢の上昇とともにNAFLDの有病率は上昇する。

小児のNASHの有病率ついては明確なデータはない。

メタボリックシンドロームがあるとNAFLDやNASHを発症しやすく、とくに肥満(ウエスト周囲径の増大)はNAFLDやNASHの強い危険因子であり、また高血糖や脂質異常も主要な危険因子となる。

NAFLDの人がメタボリックシンドロームを合併している場合は、NAFLではなくNASHの可能性が高くなります。

 

NAFLDのうち80~90%は長い経過をみても脂肪肝のままで、病気はほとんど進行しない。これをNAFLDの病気を意味する「D(Disease)」を除いてNAFL(ナッフル)といいます。

しかし、残りの10~20%の人は徐々に悪化して、肝硬変に進行したり、なかには肝がんを発症したりすることもある。

この脂肪肝から徐々に進行する肝臓病のことを「非アルコール性脂肪肝炎」(英語表記nonalcoholic steato-hepatitisから「NASH(ナッシュ)」という。

NAFLDは、非アルコール性で超音波検査やCT検査などの画像検査で脂肪肝の所見があって、他の肝臓の病気がないことを確認すれば、診断することができる。

一方、NASHは肝臓の組織を調べる肝生検をしないと確実に診断することができない。

 

 

つまり、NAFLDはアルコールを除くいろいろな原因で起こる脂肪肝の総称ということになる。

その多くは、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧を伴っていて、メタボリックシンドロームの肝臓病と考えられている。