甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症(治療する際の注意点)

・甲状腺ホルモンの過剰状態(甲状腺中毒症)が,甲状腺組織におけるホルモン合成増加(甲状腺機能亢進症)によるものなのか,甲状腺組織の破壊によるホルモン漏出(破壊性甲状腺中毒症)によるものなのか,区別すること.

 

・甲状腺機能亢進症のほとんどは Basedow 病である.

 

・Basedow 病以外の甲状腺機能亢進症(腺腫,hCG 過剰による甲状腺刺激作用など)はまれであるが,その際には専門医へ紹介することが望ましい.

 

・甲状腺中毒症状は,甲状腺ホルモン過剰による熱産生の増加と,組織の交感神経感受性の亢進の結果起こってくる.

 

・治療には,抗甲状腺薬の内服,放射性ヨード療法,手術,エタノール注入(PEIT)などがある.

 

検査・診断(治療する際の注意点)

・血液中の FT3,FT4の増加,同時に TSH が低値(検出限界以下が多い).

 

・TSH 受容体抗体(TRAb・TBⅡ)あるいは甲状腺刺激抗体(TSAb)陽性.

 

・甲状腺ホルモン増加が破壊性のものか否かの鑑別には放射性ヨード摂取率がもっとも有効である.

 

・破壊性甲状腺中毒症との鑑別が難しく,放射性ヨード摂取率を調べられない場合は,2 週間ごとに FT3, FT4,TSH を測定し,経過観察する.

 

 

 


Basedow病を疑ったときの診断フローチャート



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