帯状庖疹

「帯状庖疹」は、初期のうちに適切な治療を始めれば、重症化を防ぐことができます。

 

体の片側に痛みを伴う発疹が出る病気

帯状庖疹は、「水痘・帯状庖疹ウイルス」、つまり水痘(水ぼうそう)のウイルスによって発症します。

水ぼうそうが治っても、ウイルスは死滅せず、感覚を司る知覚神経の根元にある神経節の中に潜伏しています。

それが再活性化して皮膚に現れてくるのが帯状庖疹です。

 

発症のきっかけは、詳しくはわかっていませんが、免疫の働きが低下(注)することが発症のリスクを高めると考えられます。

(注)「過労」「ストレス」「加齢」や、「がんや糖尿病など免疫の働きが低下する病気にか

かっている」「ステロイド薬など、免疫の働きを抑える薬を服用している」など。

 

 

以前は、帯状庖疹は一度かかれば再発しないといわれていましたが、高齢者や免疫を抑える薬を使っている場合は、再発することもあるので注意が必要です。

 

症状としては、初めに痛みが生じ、進行すると痛みは激しくなります。

なかには、初期にかゆみだけを感じるという人もいます。

やがて、痛みが生じた体の左右どちらか片側に赤い発疹が生じます。

進行すると発疹は帯状に広がり、水庖になります。

痛み方は、「ピリピリする」「ズーンと響くような重い痛み」「軽い刺激でも強い痛みを感じる」「眠れないほど」と、個人差があります。

「肩にできて、腕が上がらなくなる」「排尿に関わる神経がある脊部などにできて、尿が出なく

なる」「顔の近くにできて、難聴が起きたり、顔面神経麻繰が起こり、口が閉じられなくなる」など、重症化すると、運動神経にまで影響することがあります。

 

発症から3日以内に服薬を開始する

帯状庖疹の治療では、発疹が生じて3日以内に治療を開始するのがポイントです。

発疹は、治療しなくても20日間ほどで治りますが、治療が遅れたり治療しなかったりした場合には、「39℃以上の熟」や「頭痛」をはじめ、全身的な症状が現れることがあります。

また、治療が遅れると、発疹が消えたあとに、後遺症として神経痛(帯状庖疹後神経痛)が残る場合があるので、できるだけ早く治療を開始することが大切です。

 

体の片側に痛みを感じたあと、痛みのある部位に発疹が現れたような場合は、自分で帯状庖疹を疑い、早めに医療機関を受診してください。

 

 

■ 薬物治療

帯状庖疹の治療の中心は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬の服用です。

発疹が出てから3日以内に服用を始めることが大切です。

抗ウイルス薬を服用し始めたら、自己判断でやめたりせず、7日間のみ続けます。

 

皮膚の痛みには消炎鎮痛薬、神経の障害によって起きる痛みに対しては抗てん

かん薬や、オピオイド(医療用麻薬)など、痛みの種類と程度に応じたさまざま

な薬が使われます。

 

■ 日常生活とケア

帯状痘疹を発症したら、「体を休める」「体を温める」ことを心がけます。

家で体を休め、リラックスしますが、家に閉じこもって痛みのことだけを考えるよりは、おしゃべりなどをして気分転換するのもよいでしょう。

体を温めるには、入浴、カイロ、湯たんぽなどを活用します。

 

入浴は、血行を促進して痛みを和らげるだけでなく、患部を清潔に保つためにも勧められます。せっけんの泡でなでるように、患部を優しく洗浄してください。

 

同じ浴槽で入浴しても帯状痘疹が感染することはありませんが、水痘の中のウイルスに直接触れると、水ぽうそうにかかったことがない人には感染する可能性があります。

帯状痘疹の患者さんと同じタオルを使うのは避けましょう。

 

なお、帯状痘疹の発症や重症化、神経痛を予防する目的で、「水痘ワクチン」を接種することもできます。

 

参考

きようの健康 2015.12 

水痘・帯状疱疹とは―予防接種が定期接種に

https://medicalnote.jp/contents/150602-000005-VQRXRJ

・水痘と帯状疱疹は同じウイルスによって起こる感染症で、初めてこのウイルスに感染すると、「水ぼうそう」とよばれる水痘を発症します。また、このウイルスは水痘が治った後にも脊髄神経に留まり、免疫力が低下したときなどに再び活性化して帯状疱疹を起こします。

 

・このウイルスは、感染した人の鼻水や唾液、水疱から出る液に存在しますが、それらが蒸発して空気中に舞うため、触れていなくても同じ空間にいるだけで空気を通して感染してしまうことがあります(空気感染)。

 

・免疫不全の方や、新生児、思春期以降の方が感染すると重症化することが多く、死に至ることがある怖い病気です。健康な幼児であっても重症化する場合があり、予防接種をおこなうことで水痘を軽症化することができます。

 

・水痘の潜伏期間は10~21日と長く、発疹が現れる24~48時間前から周囲に移してしまうようになるので、水疱ができて、水痘だと気がついた時点ではすでに周りに感染している可能性があります。

(私的コメント;今までの臨床経験からはピッタリ2週間です)

 

 

帯状疱疹の予防接種の効果と方法

http://taijohoshin.com/b04vaccine.html

・米国など30カ国以上の国で水疱瘡のワクチンを帯状疱疹予防に使用されています。ですが、日本ではまだ広く多くの人に知られていないため、水疱瘡や帯状疱疹に関しての薬剤に関しては保険や公費で負担してくれますが、ワクチン接種は法で定められた予防接種ではないため、保険の適用がなく、自費負担となっています。

 

 

水痘ワクチンで帯状疱疹は予防できるのでしょうか

http://kansensho.jp/pc/article.html?id=QA14101709

・齢者に水痘ワクチンを接種すると免疫、特に細胞性免疫が増強されるという研究成果が出ています。海外でも高齢者に水痘ワクチンを接種すると免疫、特に細胞性免疫が増強されるという研究結果が報告され、米国では、平成10(1998)年から平成16(2004)年にかけて、帯状疱疹の予防や重症化の防止効果に関する大規模臨床試験が行われました。その結果、高齢者に水痘ワクチンを接種し、帯状疱疹の発症と症状が半分程度になることが明らかにされており、米国ACIPでは、帯状疱疹予防として60歳以上に帯状疱疹予防ワクチンの接種を勧めています。

 

 

水ぼうそうウイルスで発症 帯状疱疹、ワクチンで予防

http://style.nikkei.com/article/DGXKZO01976380W6A500C1TZQ001

・5~7人に1人が一生のうち一度は帯状疱疹を発症するといわれる。ほとんどの人が原因ウイルスに感染しており、誰にでも発症する可能性がある。

 

 

水ぼうそうウイルスで発症 帯状疱疹、ワクチンで予防

http://style.nikkei.com/article/DGXKZO01976380W6A500C1TZQ001

・年齢別にみると、50歳以上の発症が多い。20代でかかる人もいるが、30代で家族を持つと子どもが水ぼうそうにかかった際に、新たにリンパ球がウイルスと出合い免疫力が高まる。それが50代で「子どもの頃にウイルスを記憶したリンパ球が減る

・乳幼児で水ぼうそうの定期接種が始まり、水痘患者の減少が期待できるが、逆に帯状疱疹の患者は増える可能性があるという。

 原因ウイルスに出合う機会が減り、免疫力が活性化せず、リンパ球が減り続けてしまうからだ。

特に独り暮らしの高齢者や、若い人でも忙しい毎日を送る人などは接種が推奨される。

 

 

ためしてガッテンで帯状疱疹の早期発見法!予防はワクチン接種?

http://kanarikinic.com/1951.html

 

 

帯状疱疹、若い世代も発症

http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/42936796.html

 

 

帯状疱疹 早めに治療

http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/37659736.html

 

 

増加傾向の帯状疱疹

http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/34414228.html

 

 

帯状疱疹

http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/3196902.html