糖尿病の検査

血糖値

血液中のブドウ糖のことを血糖といいます。

血糖は血液を通して全身の細胞に送られ、生命活動を維持するためのエネルギー源として利用されています。

膵臓から分泌されるインスリンというホルモンには、血糖値を一定に保つ働きがあるのですが、インスリンが減少すると、血液中のブドウ糖が利用できなくなり、血糖値が上昇します。

この状態は糖尿病が一定以上進んだ場合です。

実は糖尿病の初期にはインスリンの効きが悪くなってインスリンが増加します。

(インスリン抵抗性、インスリン感受性低下)

 

この時期には、ブドウ糖をうまく利用できないために空腹感が増し、また食べることにより血糖が増えるという悪循環を繰り返します。

 

 

HbA1c

体内に酸素を運ぶ赤血球中のヘモグロビンと血液中のブドウ糖が結合したものをグリコヘモグロビン(HbAlc)といい、血糖値が高いほど数値が高くなります。

血糖値の測定は、その検査の時点での血糖の状態を示します。

血糖は検査前の食事や運動、精神状態などに影響されやすく、短時間で急激に変動します。また、初期の糖尿病では血糖値があまり上がらない場合もあります。

しかし、グリコヘモグロビンはゆっくりと時間をかけてブドウ糖と結びつく性質があり、その値も徐々に変化します。

また、一度結合すると、その赤球の寿命(120日間)がつきるまで、そのままの状態を保つという特徴があります。

したがってグリコヘモグロビン値は、採血時よりさかのぼって1~2ケ月間の血糖の平均を反映すると考えられます。

そのため、検査時にたまたま血糖値が低く、見逃してしまいがちな初期の糖尿病も発見しやすくなります。

 

また、長期血糖コントロールの目安になるため、すでに糖尿病にかかっている人が血糖値を上手にコントロールしているかどうかを判定する際にも有用です。