高齢者の食事の介助

食事介助のポイント

一人で食事を食べることができない人には食事の介助が必要です。

この際には、誤嚥することなく安全に飲み込んでいただくことがとても重要です。

まず寝たきりの高齢者の食事介助の場合は、必ず意識がはっきりした状態で、食べる体制を整えてから食事介助します。

「食事ができましたよ」などと声をかけて返事を待ち、少し会話をしてから、食事介助に入るようにします。

また、食事のひと口めが特に誤嚥の危険性が高いので、注意が必要です。

誤嚥が心配な場合は、舌の上にストローで1~2滴の水を垂らしてごっくんしてもらい、これを2~3回繰り返した後に、食事にうつるとよいでしょう。

 

◯ 食事介助のポイント

・高齢者と介助者の目線は同じ高さで、なるべく座って食べさせる。

・ひと口の量は、ティースプーン1杯くらいずつ。

・口の中のスプーンはすぐに抜かず、高齢者が食いついてから抜く。

・のどがごっくんと動くのを確認してから、次のひと口を入れる。

・ごはんなどの固形物と味噌汁などの水分を一緒に取りながら食べる(水分でむせやすい場合はゼラチンで代用)。

 

参考・引用

http://www.houmonshika.org/oralcare/c65/

 

 

 

安全に食事介護を行うためのポイント

食事の介助が必要な高齢者に安全に食べていただくためには、いくつかのポイントがあります。

意識をはっきり、体をしっかり目覚めさせてから

寝起きの状態ではすぐに食べることはできませんし、まどろみながら食べるのは誤嚥の危険もあります。

「食事ができましたよ」と声をかけて少し会話をしてから、しばらく座ってからなど、意識と体をしっかり目覚めさせてから食事にしましょう。

 

最初のひと口めが肝心

誤嚥の危険性が一番高いのは最初のひと口めです。最初にひと口は飲み込みやすいものにして様子を見て、口を慣らすようにしましょう。

 

◯ ひと口の目安の量はティースプーン1杯

一度にたくさん詰め込むのは窒息の原因になるので、ひと口の目安はティースプーン1杯くらいです。

なかなか口を開いてくれないときは、スプーンをくちびるに軽く付けると反射的に開いてくれます。

また、口に入れたスプーンはすぐに抜かず、高齢者が食べ物に食いつくのを待ってから抜きます。

 

◯ のどが動くのを確認

のどが上下に動いて、ごっくんと飲み込んだのを確認してから、次のスプーンを入れます。

 

参考・引用

http://www.houmonshika.org/oralcare/c63/

 

 

高齢者の体と食生活の変化と工夫

「食事」は、体を維持するために必要な栄養を取ることだけではなく、おいしいものを味わって食べることで、心の喜びや満足度を得るという大切な役割もあります。

しかし、老化とともに、噛む力や飲み込む力が衰えたり、消化吸収の機能が低下したり、腹筋が衰えたりするために、食べる力が弱まってきます。

いくつになっても食事をおいしく楽しむためには、体の変化を理解して、それに合わせて食事にひと工夫をすることも大切です。

◯ 噛む力、飲み込む力が衰える

加齢による唾液の分泌量の減少や、歯周病や入れ歯の不具合などが原因の一つ。

不具合は調整し、噛みやすく飲み込みやすくなる食事の工夫をしましょう。

 

◯ 歯や骨がもろくなる

高齢になると骨や歯からカルシウムが抜け、吸収率も低下するために、歯や骨がもろくなります。

吸収のよい乳製品や小魚を摂取して、カルシウム不足を補うようにしましょう。

 

◯ 濃い味つけを好むようになる

高齢になると味覚が鈍くなるために、濃い味付けを好むようになり、塩分や糖分の摂りすぎの心配が。

酢やレモン汁をかけたり、だしをしっかりとったりすることで、薄味でも味が引きしまります。

 

参考・引用

http://www.houmonshika.org/oralcare/c63/