頚動脈プラーク

頚動脈ブラークとは

* 病気に関する基礎知識  

頚動脈プラークは、エコー検査で動脈壁の肥厚としてとらえられ、コレステロールなどの脂肪からなる粥状動脈硬化巣です。

そのような頚動脈プラークは、時に破綻(破裂)して、破綻部位に血栓が形成されます。頚動脈プラークが原因となる脳梗塞では、血栓が破綻部位で頚動脈を閉塞することもあリますが、血栓が遊離して末梢の脳動脈に詰まり、脳血流を遮断する場合もあります。

頚動脈エコーやCT / MRI検査などで脳梗塞を起こしやすいプラークを予測することは

可能です。

狭窄度の高いプラーク、コレステロール含量の多いプラーク、表面が掘れているプラーク、可動性の血栓などが付着したプラークは、特に注意が必要です。

 

* 脳梗塞予防のための対策

頚動脈プラークの中でも粥状動脈硬化は、心臓の冠動脈に生じるプラークと同様に、最

も注意すべき病態です。

動脈硬化の形成を促進する主な危険因子として、

①高血圧、

②高コレステロール血症、

③喫煙、

④糖尿病

があり、それらのコントロールが最も重要です。

時間はかかりますが、強力にコントロールすることによってプラークが小さくなることや、脳梗塞を起こしそうなプラークが安定化することも知られています。

また、一度脳梗塞を起こした方や、脳梗塞を起こす可能性の高いプラークを持つ方には、抗血小板療法が推奨されます。

 

* 日常生活の注意点

頚動脈プラークが発生・進展しないようにする近道は、前述の4つの動脈硬化危険因子を

コントロールすることです。

禁煙し、腹八分目の食事と適度な運動を心掛けてください。

高血圧には塩分控えめの食事が有効です。

さらに、危険因子のコントロールには種々の薬剤による内科的治療が有効です。

一過性の片側だけの麻痺や感覚障害、目の不調などは脳梗塞発症への危険信号の可能性があります。

今日、内科的治療だけでなく、カテーテル治療や外科的治療が大きく進歩しており、脳梗塞の発症を事前に妨げる場合もあるので、そのような症状が起これば、もしすぐに回復しても、速やかに医師に相談してください。

 

参考・引用

 

スズケンメディカル VOL.20 NO.3 発行日 平成29年6月1日