高血圧になると その1  

血圧が高いと、知らないうちに、血管や心臓に大きな負担がかかり、心臓病や脳卒中、腎臓病などが起こりやすくなります。

時として生命にかかわる重大な事態となります。

事実、収縮期血圧が140mmHg以上の高血圧の人は、120mmHg(正常)の人に比べ、心臓病や脳卒中で死亡する割合が高くなります。

しかし、しっかりと治療を受けると、その危険性は大きく減るのです。

血圧が高いと心臓病や脳卒中での死亡率が高まります

有名な久山町研究(福岡県)で、収縮期血圧が140mmHg未満にコントロールする重要性がわかっています。



高血圧になると その2

高血圧になると血管の抵抗が大きくなるため、心臓から血液を送り出しにくくなります。

その抵抗に打ち勝つには力強い心臓が必要となるため、心臓の壁は肥大化します(心肥大)。

同時に血管にも強い圧力が加わるため動脈硬化が進み、それにより起こる心筋梗塞や狭心症は心臓に大きなダメージを与えます。

これらが複雑に絡み合うことで、心臓の働きはどんどん低下し、やがて心不全に陥ります。


高血圧になると その3

脳卒中は、わが国の死亡原因の第3位であるばかりか、「寝たきり」になる原因の約4割を占めています。

この脳卒中を起こすきっかけとなる3大危険因子が、「高血圧」、「糖尿病」、「不整脈(心房細動)」です。

血糖値や心臓の動きに注意しながら、血圧をしっかりコントロールすることが大切です。

参考;

寝たきりの原因の約40%は脳血管疾患(脳卒中)が原因です。


高血圧になると その4

高血圧が長期にわたって続くと、細い血管がたくさん集まっている腎臓は大きなダメージを受け、腎臓を構成している細胞がどんどん壊れていきます。

そのため、老廃物を尿としてろ過・排出することができなくなり、最終的には透析治療や腎移植が必要となります。

また、腎臓が悪くなると、心臓にも大きな負担がかかるため、心臓病にもなりやすくなります。


血圧になると その5

高血圧と認知症は深く関係しています。

高血圧があると認知症になりやすいことがわかっています。

一方、治療により認知症リスクを軽減できることも報告されています。

さらに、高血圧だけでなく、糖尿病や脂質異常症も認知症の危険性を高めるだけでなく、合併するとさらに危険性が高くなります。

認知症予防のためにも、これらの生活習慣病をしっかり治療しましょう。