「白血球」の検査はとても役立ちます
一般的に「細菌感染」では白血球が増加します。
特に顆粒球(当院の迅速検査では”GR”と表示)が増加します。
GR↑
一方、「ウイルス感染」では顆粒球は増加しません。
インフルエンザなどの強力なウイルス感染ではリンパ球(当院の迅速検査では”LY”と表示)が増加します。
LY↑
(少なくとも白血球が増加することはありません)
「渡辺内科にかかると、院長がいつもすぐ『まずは白血球を調べましょう』と言う」というウワサさえ立っています。
しかし、診断そしてそれに続く治療にはとても大切な検査であることにご理解下さい。
「CRP」という炎症の程度を調べる医療機関もありますが、これは「細菌感染」と「ウイルス感染」の区別には役立ちません。
この検査はこんな時に役立ちます
① インフルエンザと細菌性咽頭炎や細菌性気管支炎の区別
インフルエンザの流行期に高熱がある場合
・白血球が増えていたらその時点でインフルエンザ迅速試験
は不要となり、抗生剤が投与されます。
・白血球が増えていなければインフルエンザの可能性がある
のでインフルエンザ迅速試験を行います。
② 「胃腸かぜ(ウイルス性腸炎)」と「食中毒(細菌性腸炎)」の区別
下痢や嘔吐がある場合
・白血球が増えていたら「食中毒」です。
・白血球が増えていなければ「胃腸かぜ」か「ノロウイルス」です。
参考;新鮮なカキに当たると白血球正常、古いカキでは白血球増加。