音楽性幻聴(Musical hallucinationまたはMusical hallucinosis)は音がしていないにも関わらず音楽が聞こえる特異な症候である。
音楽のジャンルは幼少期に親しんだ童謡や唱歌が多く、その他には聖歌や讃美歌などの宗教的な音楽や、軍歌や国歌などの愛国的な音楽、歌謡曲や流行歌など様々な報告がある。
音楽性幻聴は高齢者に多く、多くの場合聴覚障害がみられる。
未だ確立された治療法はないが、補聴器の使用や抗てんかん薬、認知症改善薬,抗精神病薬などで改善の報告がある。
参考
塩酸ドネペジルが効果のあった老年期音楽幻聴症の1例
https://core.ac.uk/download/pdf/228798534.pdf
音楽性幻聴を認めた高齢女性の2例
http://184.73.219.23/rounen-s/J-senyou/D_gakkai_koenkai/15th/15th_e12.htm
Charles Bonnet(シャルル・ボネ)症候群
視力障害を持ち、意識清明で明らかな知的障害のない老人に、明瞭で生き生きとした幻視がみられ、しかも幻視に対する病識が保たれているものをいう。我が国では数例の報告しかない。
当院でも最近、80代の女性で音楽幻聴を訴えられる症例を経験しました。
認知症の症状はなかったのですが、聴力検査で低音難聴がみられました。