・蜂窩織炎とは、皮膚の傷などから細菌が侵入し、皮膚とその下にある脂肪組織などに炎症を引き起こす病気。
全身に発症する可能性があるが、もっともよく見られるのは足からふくらはぎにかけての部位とされています。
・蜂窩織炎を発症すると、炎症を起こした部位が痛みや熱感を伴って赤く腫れ上がり、徐々に範囲が広がっていく。
・また炎症が強くなると発熱や悪寒、倦怠感などの全身症状を引き起こすこともあり、中には敗血症などに移行して命に関わるようなケースもある。
・治療には原因となる細菌を死滅させる作用を持つ抗菌薬の投与が行われ、数日~10日ほどで快復することがほとんど。
しかし、炎症が強く皮膚の下に膿がたまっているようなケースでは、膿を排出する治療が必要になることもある。
・細菌が侵入する“皮膚の傷”は必ずしも大きなものではなく、ささいな引っかき傷や虫刺され、やけどなど非常に小さな傷口、水虫や過度な乾燥肌など皮膚のバリア機能が低下するような皮膚の病変部分から侵入することもある。
また、細菌の侵入門戸がわからない場合も多い。
・皮下の脂肪組織などに侵入した細菌は炎症を引き起こし、さらに皮膚の下で周囲にどんどん炎症を広げていく。
その結果、細菌が侵入した部位から広い範囲にまで発赤や腫れ、痛みなどが引き起こされる。
なお、蜂窩織炎の原因となる細菌は多々あり、代表的なものではブドウ球菌が挙げられる。
重度な糖尿病などが原因で免疫力が低下している場合に発症リスクが高くなる。
・炎症が重症化した場合には、高熱や悪寒、倦怠感、頭痛といった全身症状が見られるようになり、敗血症に移行することがある。
さらに、周囲のリンパ節にも感染が広がり、痛みを伴うリンパ節の腫れが目立つようになる。
・蜂窩織炎の治療は、原因菌に合った抗菌薬の投与が主体となる。
多くは抗菌薬の点滴での投与が行われ、数日で回復していく。
・蜂窩織炎を予防するには皮膚を清潔に保ち、傷ができないよう注意することが大切です。特に糖尿病や免疫を低下させる作用のある薬を飲んでいる方は、足など蜂窩織炎が起こりやすい部位のケアをしっかり行いましょう。
・皮膚のバリア機能を維持して細菌の侵入を防ぐには、皮膚の保湿を徹底し、何らかの皮膚の病気があるときはできるだけ早く治療を受けるようする。