男性の骨粗鬆症
患者の4人に1人は男性
骨が弱くなって骨折しやすくなる骨粗鬆症は、これまで更年期から高齢の女性に多い
病気だと言われてきました。
しかし2005年の調査で、わが国の骨粗粗症患者の約4分の1は男性であり、骨粗鬆症
を原因とした脚の大きな骨(大腿骨)の骨折の約4分の1がやはり男性に起こっていることがわかりました。
男女の骨粗鬆症の違い
女性の骨粗鬆症は加齢に関連して起こることが多いのに対し、男性の場合は病気や薬、
栄養障害などが原因で起こることが多いのが特徴です。
そのため男性の場合、骨粗鬆症のリスクを判定する骨密度測定が、70歳以上の高齢者、
骨の質が弱くなったり骨の量が減少する病気や薬を服用している人などに対して推奨され
ています。
また、筋肉量が減少したり筋力が低下するサルコペニアと骨粗鬆症を同時に起こす割合
が女性よりも高く、この2つが組み合わさることで日ごろの運動量が減り、症状が悪化してしまう場合があります。
男性の骨粗鬆症の主な原因
病気
アルコール依存症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、胃腸疾患、高カルシウム尿症、甲状腺
機能亢進症などの内分泌疾患など
服用している薬剤
ステロイド薬、抗痙攣薬、SSR1(抗うつ薬の一種)など
早めの受診で骨折予防
骨粗鬆症による骨折をきっかけに寝たきりになってしまうケースがあるため、男女ともに注意が必要です。
現在では骨粗鬆症研究が進み、早期の治療により骨折を大幅に防げるようになっています。また、転倒の予防も重要です。
簡易式転倒チェックシート
□ 過去1年に転んだことがある 5点
□ 背中が丸くなってきた 2点
□ 歩く速度が遅くなってきたと思う 2点
□ 杖を使っている 2点
□ 毎日5種類以上の薬を飲んでいる 2点
合計6点以上は要注意