偽痛風の症状や原因・診断・治療方法と関連Q&A
https://health.goo.ne.jp/medical/10990700
・痛風は尿酸塩の結晶が関節に炎症を起こして発症するが、偽痛風はピロリン酸カルシウムの結晶によって起こる関節炎。
この結晶が軟骨に沈着するために、軟骨石灰化症とも呼ばれている。
・とくに膝関節に多く発症し、時に多関節に及ぶこともある。
60歳以降に多く認められ、男女差はない。
(女性には痛風が少ないため、女性に痛風発作に似た症状が出た場合には偽痛風も考える)
・ほとんどが原因は不明だが、加齢によって軟骨が傷んだ部分に結晶が沈着しやすいことも関係があるといわれている。
・若年者で多発性に発症する遺伝性のものや、副甲状腺機能亢進症に続発するものもある。
ただし、この結晶が沈着していても発症するのは4分の1程度といわれている。
・いくつかの病型がある。
A型:偽痛風発作型
急性、亜急性の関節炎を繰り返す。
好発部位は70%以上が膝関節だが、時に手、肘、足関節にも出る。
B型:偽性関節リウマチ型
比較的慢性に経過し、多関節に及ぶ炎症所見の強い型。
朝のこわばりがみられ、赤沈値が亢進し、CRPが陽性のことがあり、関節リウマチと誤ることがある。
C型:偽性変形性関節炎型
徐々に進行する慢性関節炎で、急性発作を伴うタイプで、やはり圧倒的に膝関節に多くみられる。
D型:偽性変形性関節炎型
C型に急性増悪を伴わないタイプ。
E型:無症状
偽痛風の50%を占め、X線上で石灰化を認めるが、症状がないタイプ。
F型:偽性神経障害性関節症型
高度の関節破壊がみられるタイプです。
偽痛風の診断と治療
http://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/160860-1-19.pdf
(医療関係者向け)
偽痛風とは
偽痛風は「にせものの痛風」と示す通り、痛風とは似て非なる病気です。
痛風も偽痛風も、関節のなかに結晶が沈着することで関節が腫れて痛む病気ですが、結晶の種類が違います。
痛風は尿酸の結晶、偽痛風ではピロリン酸カルシウムの結晶が原因です。
高齢者に多い関節の病気
痛風は成人男性に圧倒的に多くみられる病気で、足の親指や足首におこることが多いのに対し、偽痛風は男女にかかわらず高齢者に多くみられ、膝や足首、手首などさまざまな関節におこります。
発熱を伴う場合もあり、変形性関節症という関節の老化に伴う痛みなどがある方にとっては、珍しい病気ではありません。
したがって、80歳以上の高齢者で、関節が急に腫れてくるといった症状がある場合には、まず偽痛風を疑います。
痛みのある関節をX線撮影し、関節内の石灰化か確認できると、偽痛風と診断
されます。
関節の痛みは早めに受診を
偽痛風の治療には、痛みをやわらげる薬が用いられます。
飲み薬のほか、症状によっては関節内にステロイドを注入する場合もあります。
痛風なら尿酸を減らす薬を長期間服用すれば治まりますが、残念ながら偽痛風にはそのような根本的な治療法はありません。
したがって、関節に痛みが出た時に、痛みをやわらげる薬で対処することになります。
高齢化社会で増えている病気の一つですが、関節リウマチのように関節が壊れるといった重篤な症状が出ることは減多にありません。
高齢者で関節が急に腫れて痛むようなことがある場合は、早めにかかりつけ医を受診しましょう。
参考
日医ニュース 2018.11.5