尿細管間質性腎炎

尿細管と間質について

尿細管は糸球体から濾過された尿のうち、必要な成分を再吸収し、不要な成分を分泌し、尿として排泄する。

間質は糸球体と尿細管以外の腎組織。

これらに炎症がおこると尿細管間質性腎炎となる。

原因としては、薬剤性が多いが、その他の原因として、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、IgG4関連疾患などの自己免疫性疾患が隠れていることもある。 

 

 

・病理組織学的な疾患概念であり、尿細管間質の炎症を主体とする腎病変の総称。

・本来、尿細管疾患と間質性疾患は原因や病態が異なり、間質性腎炎と呼ばれることが多かったが、尿細管と間質の病変は相互に影響しあい形成されることから、尿細管間質性腎炎として扱われるようになった。

・免疫学的機序などにより主に尿細管や間質が障害される場合だけでなく、糸球体病変や血管性病変に続発した二次性の障害も含まれており、きわめて多様な原因で出現する。

・急性尿細管間質性腎炎の原因としては、感染症や薬剤の副作用、アレルギー性の薬物反応が多い。感染性のものとしては、急性腎盂腎炎があげられるが、基本的には予後良好な疾患である。

薬剤性(ペニシリン系・アミノグリコシド系抗生剤、鎮痛剤など)のものや、急性尿細管壊死、腎乳頭壊死、急性拒絶反応などによるものは、急性の腎機能低下や急性腎不全を呈することがあるので注意を要する。