腫瘍マーカー

体に腫瘍ができると健康な時にはほとんど見られない物質が腫瘍から産生され、血液中に出現します。

腫瘍にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴的な物質を過剰に出します。

この物質を「腫瘍マーカー」といい、採血した血液を使って検査します。

診断の補助として用いられますが、がんの治療効果たとえば術後の経過を把握したり、再発や転移が無いかどうかの判断材料の一つとしても利用されています。

 

「CEA」

CEAは、胃や大腸など様々な臓器に悪性の腫瘍(がん)があるかどうかのふるい分けをするために測定されていますが、健康な人の中でも3%の人は基準値を超える場合があります。

 

加齢や喫煙でも少し高くなることがあると言われているため、CEAの値が高いと必ずがんがあるとは言えません。

逆に値が低いからといってがんがないと言い切ることはできません。

 

がんの確定診断は、CEA以外の様々な種類の腫瘍マーカーの値や、超音波検査・X線CT・血管造影などの画像診断と、内視鏡検査・生検(組織の一部を取って調べる病理検査)などを行ない、総合的に判断(確定診断)されます。

 

 

「CA19-9」

CA19-9は、消化器系の臓器の中でも特に膵臓がんや胆道がんに80~90%の割合で高値を示す腫瘍マーカーです。

検診などでがんのふるいわけに用いられますが、早期のがんでは高値を示さない場合もあり、また糖尿病や胆石症、慢性膵炎などがん以外の疾患でも高値となる場合があるため、基準値を超えた場合はがんを始め臓器に異常がないかどうかを腹部超音波検査やCT、MRI検査などの精密検査で調べます。

 

 

「CA125」

 

CA125は、主に卵巣腫瘍が良性か悪性かを区別するのに有用とされている腫瘍マーカーです。

値が異常に高くなる場合には悪性の可能性があるといわれていますが、がんの性質によっては必ずしも高値になるとは限りません。

また、子宮内膜症や良性の卵巣腫瘍でも高値になることや、月経や妊娠などホルモン周期によっても数値が変動することがあります。