新型コロナ 5類へ

5月8日から新型コロナは5類感染症になります。

 

 

2024.4.1~ 新型コロナの自己負担額が増えます。

(NHKニュースより)

 

 

読売新聞 2023.4.12

 

 

感染症法では、対象となる感染症を感染力や重篤性などの危険性に基づき、1類から5順に分類しています。

また、別に新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症の区分が設けられています。

そして、それぞれの類型ごとに実施できる措置が規定されています。

 

「2類感染症」は危険性が高い感染症ですので、都道府県知事(名古屋市の場合は市長)に感染拡大を防ぐため、患者等の行動の制限も可能な強い権限が与えられています。

この権限に基づいて保健所・保健センターが患者の入院勧告、就業制限、濃厚接触者の外出自粛要請などの業務を行っています。

 

患者の診療は感染症指定医療機関等の限られた医療機関が対応し、社会防衛を主な目的とする検査や入院には医療費の自己負担分が公費で支援されます。

 

一方、「5類感染症」は行政に患者等の行動を制限する権限はなく、発生動向調査を行って国民や医療関係者に情報提供を行うことが行政の役割となります。

 

患者の診療は一般の医療機関で幅広く対応し、医療費は保険診療扱いで通常自己負担が生じます。

なお、「新型インフルエンザ等感染作」は柔軟な対応が可能な区分で、外出自粛要請など2類より厳しい措置もとれますし、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づく緊急事態宣言のように社会経済活動の制限を要請することも可能です。

 

新型コロナウイルス感染症は、2020年1月15日に国内初の感染者が確認されて約2週間後の2月1日に「指定感染症」に指定され、2類相当の措置が取られました。

2021年2月には感染症法が改正され、「新型インフルエンザ等感染症」に位置づけられ、現在に至ります。

 

発生当初は2類相当として入院を中心とする厳格な対応が取られていましたが、感染者数の急増により多くの方が自宅で療養せざるを得なくなりました。

そのため、配食サービス、保健センターによる健康観察や受診調整、移送タクシーの手配など、自宅療養者への療養サービスも行政が担うことになりました。

 

その後、オミクロン株が流行の中心となって重症化率が低下したことや感染計数が爆発的に増加したことに伴い、患者の療養期間が見直されたり、発生屈の対象が高齢者など重症化リスクを持つ方に限定されたり、徐々に対策が緩和されてきました。

 

最近では致死率や重症化率が低下していることから、「2類相当に位置づけることによって必要最小限度を超えた人権の制限を容認しているのではないか]との指摘がされるようになりました。

また種々の制限が社会経済活動に悪影響を及ぼすことが懸念されることもあって、今回5類感染症に変更する方針が出されたものと思います,

 

「2類感染症相当」から「5類感染症]に位置づけが変わりますと、行政の担う役割は小さくなります。

患者の発生動向は定点サーベイランスで把捉することになりましたので発生届は終了し、定点以外の医療機関では患者数の報告も不要になります。

保健所は入院勧告や就業制限ができなくなり、患者の健康観察や濃厚接触者の外出自粛要請も行えなくなります。

 

一方、医療提供体制は平時の状態に円滑に移行するため、国は「原則として、インフルエンザなど他の疾病と同様となることから、幅広い医療機関で新型コロナウイルス感染症の患者が受診できる医療体制に向けて、必要となる感染対策や準備を講じつつ国民の安心を確保しながら段階的な移行を目指す」としています。

 

また、「入院調整も行政が関与するものから個々の医療機関の間で調整する体制へ段階的に移行していく」、「診療・検査医療機関から広く一般的な医療機関による対応への移行、外来や入院に関する診療報酬上の特例措置や病床確保料の取り扱い、重症者等に対する入院調整のあり方、高齢者施設等への検査・医療支援など各種対策・措置の段階的な見直しについて具体的な内容の検討・調整を進める」としています。

 

なお、医療費の自己負担分の公費支援は、患者に急激な負担増加生じないよう一定の公費支援を期限を区切って継続する方向です。

 

医療提供体制や患者等への対応の具体的な方針は3月上旬に国から示される見通しです。

名古屋医報・2023.4.1 前名古屋市保健所長 松原史朗先生

 

 

 

 

コロナ療養目安、学校出席停止は5日に短縮へ…5類移行でインフル同様に

・政府は11日、新型コロナウイルスの感染症法上の分類を5類に引き下げる5月8日以降、コロナに感染した小中高校などの児童・生徒に求める出席停止措置を2日間短縮する方針を固めた。

現在は感染者に外出自粛を求める「療養期間」と同様に、原則として「発症後7日間」だが、季節性インフルエンザと同じ「発症後5日間」へと改める。

 

・現在は感染症法に基づき、大人も含めて症状がある人は、原則として発症翌日から7日経過するまでが「療養期間」とされ、外出自粛が求められている。

5類移行後は療養期間の法的根拠がなくなることから、政府や地方自治体は療養のための外出自粛を要請できなくなり、外出は個人の判断に委ねられることになる。

 

・ただ、政府は、感染力のあるウイルスが体内に残る期間の調査結果や専門家の意見を踏まえ、療養に必要な期間の「目安」として、「発症翌日から原則5日間」を示す方針だ。

 

・未就学児も含む児童・生徒に関しては学校保健安全法施行規則を改正し、原則として発症後5日間は出席停止とし、「解熱後、児童・生徒は2日、幼児は3日経過した後」との条件も加える方向で調整している。

読売新聞 2023.4.12