肺胞出血
概念
びまん性肺胞出血は、重症の呼吸不全を呈する病態です。様々な原因で発症しますが、代表的なものはSLEや血管炎に関連したびまん性肺胞出血だと思います。このような自己免疫疾患による病態では、ステロイドパルス療法や血漿交換療法が施行されます
びまん性肺胞出血は様々な原因により肺胞毛細血管や肺動静脈などの小型血管に障害をきたし、そのために肺胞腔内に血液が充満する病態を呈する臨床的な症候群である。
まれな病態であるが、一旦発症すると重篤な呼吸不全を呈することが多く、迅速な診断と治療が必要な病態である。死亡率は25-50%と報告されている。
臨床像
・ 突然の発症や1週間以内の短期間での発症が多く、血痰、咳嗽、発熱、進行性の貧血、息切れを認める。人工呼吸管理が必要な重篤な呼吸不全を認める患者もいる。
・ 基礎にある膠原病(SLEなど)や全身性血管炎の所見を認める。
・ BALFの細胞診で、ヘモジデリン貪食マクロファージを認めることも、びまん性肺胞出血の特徴である。
・ ただし、BALは、びまん性肺胞出血の診断に有用だが、原因の特定に役立つ事は少ない。
びまん性肺胞出血の原因となる代表的疾患
(サイト内の表を参照)
原因特定のためのポイント
・びまん性肺胞出血を起こすような薬剤(アミオダロン、プロピルチオウラシル、抗凝固薬)への暴露がないかを確認する。
またARDSを起こす病態や、膠原病、血管炎、僧帽弁疾患を認めないかどうか確認する。
・ 膠原病を主体とした採血パネル
MPO-ANCA, PR3 ANCA,
抗GBM抗体、抗核抗体、抗dsDNA抗体、抗Sm抗体、抗CCP抗体、抗SSA抗体、抗SSB抗体、抗セントロメア抗体、抗Scl-70抗体、抗RNAポリメラーゼ抗体、抗Jo-1抗体,クリオグロブリン、補体など
治療
(サイト内の記事を参照)